蜜蜂と遠雷

著者 :
  • 幻冬舎 (2016年9月23日発売)
4.35
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本棚登録 : 20436
感想 : 2166
5

文句なしの星5です!いやーまさか、自分もこのボリュームの本を一気読みするとは思いませんでした。正直、「もう、この作品を読み切らずに明日会社で働くとかありえない!」というのめり込み具合でした。笑

本作はピアノコンクールに出場する4人の物語。その4人は独自の背景があり、並々ならぬ想いで本コンクールに参加するというお話。

本作品ではコンクールに向けた練習等の描写は少なめで主に、予選会の様子がメインで描かれております。それでも、それぞれのコンクールにかける想いが伝わってくる素晴らしい作品です!

まず、私は開始25ページで本作の世界に引き摺り込まれました。物語の序章では、自身の出自や、家庭環境に左右されやすい音楽業界で未知なる才能が突如出現し、コンサートに波紋を呼ぶという展開で、本作への期待値がすごく高まります。

そしてその勢いのまま、本作を読み進めると、作者の豊かな表現力にも魅了されることとなりました。なんといっても、演奏中の描写は圧巻ですね。視覚情報や情景描写を駆使するとともに、登場人物たちの視点を変えて演奏を評価することで、演奏を多角的に表現し、読者の聴覚に訴えかけてくる感覚は素晴らしいです。そして、登場人物たちの心理描写も細かくて、感情移入しやすいのも本作の魅力かと思います!

僕の推しはやっぱり明石君ですかね。同世代なこともあって、心から応援できましたし、実直さが伝わってきて好青年なところにも惹かれました。

スピンオフも出てるようですので、そっちも是非読みたいです!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年10月8日
読了日 : 2023年10月8日
本棚登録日 : 2023年10月8日

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