ショローの女 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社 (2021年6月21日発売)
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本棚登録 : 242
感想 : 27
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伊藤さんの書いたものはいつもぐっと心に刺さる。
「殺したての生き物のようなこんにゃく」のうまさ。
(セクシャルハラスメントについて)年配の女はみんなアップデートできているのに「おっさんたち、まだそこにいるのか」という不思議。(ほんとに。地位や収入に関係なく、まだそこにいるおっさんのなんと多いこと。)
「咳はしなくても一人。息するだけでも一人。」そんな寂寥への対処の仕方。
自分のための煮炊きは料理じゃない、という感覚は長く家族の食事を作り続けてきた女の実感だと思う。
オンラインでそこそこ満足できると思っていたが生身の人間と会って話したら、オンラインとは全然違った、というのも伊藤さんだからできる表現で描かれている。
伊藤さんは人生の先輩で、一生(書かれたものを)追いかけていくと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月26日
読了日 : 2022年3月26日
本棚登録日 : 2022年3月26日

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