超人ナイチンゲール (シリーズ ケアをひらく)

著者 :
  • 医学書院 (2023年11月20日発売)
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感想 : 30
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今までにないナイチンゲール伝である。それは間違いない。
ひらがな多めの文書だが、読みやすいわけではない。ひらがな多いから中学生でも読めるよ、ってことはない。読めるかも知らないが、「わけわからん。これでいいの?ホントに?」ってなると思う。
よかったところとしては、彼女の宗教観を描いたところ。特に神秘主義についての文章はなるほどと思わせる力があった。こういうことを書かせると上手い人だなと思う。
しかし、人物描写、特にフローレンス・ナイチンゲール以外の人物の描写が簡単すぎて、立体的な人物像を想像できない。
ナイチンゲールの統計学者としての功績も否定はしていないが、著者が統計でわかったような気になる、あるいはやったような気になることに敏感というより強い反発を抱くタイプのため、結局安倍晋三批判をしたあげく「数字、きらい。」(P228)である。
ナイチンゲール伝を書くのにこの人が適任であったかは大いに疑問である。
しかし、書き手としては嫌いではない。
誰かの評伝を書くより、自分のことを書く方が向いてる人だと思う。アナキストで長渕剛好きだなんて面白すぎるもん。
栗原康ファンには良いが、みんなにおすすめはできない。
秦直也の挿絵がふんだんに入っており、それを見る価値はある。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年4月13日
読了日 : 2024年4月13日
本棚登録日 : 2024年4月13日

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