ある子ども

  • 新評論 (2018年4月20日発売)
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感想 : 14
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あっという間に四部作を読み終えてしまった。
結論からいうと、色々な謎が完全に回収できたとは言えないが、そもそもそういうつもりで書かれた作品ではないことは読んでいて伝わってきたので、これで良いと思う。
物語としても、面白かった。

しかし、大人だからそう思うのかもしれないが、ゲイブが自分の力で悪と対峙する第3章より、クレアとアイナーが静かな愛を育む第2章が心に残る。息子への思いを抱いたまま、クレアがアイナーと助けあって生きていくという結末だったらどうだったろう。(それはクレア自身もそう考えたこともあったのだが)
もしクレアが息子と再会する人生を選ばず、ゲイブが母の愛を知らない空虚さを抱えたまま大人になったら。『メッセンジャー』でそうなったように、彼も欲に囚われて誤った道に進む可能性は大いにある。それが人間の歴史ってものだから、何ら不自然ではないのだが、この結末は作者の若い人へのメッセージだと思う。あなた達の力で世界は変えられる。殺すことでは、本当の平和は来ない。
最後に希望があった。

欲を言えば、ギヴァーのコミュニティがジョナスなき後どうなったかはしりたかったなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年10月6日
読了日 : 2019年10月6日
本棚登録日 : 2019年10月6日

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