顔にあざのある女性たち: 「問題経験の語り」の社会学

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  • 生活書院 (2009年8月1日発売)
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感想 : 7

ライフストーリーガイドブックから選んだ1冊(7/20)。
この本は筆者がインタビューした3人の顔にあざがある女性たちのライフストーリーをもとに彼女たちの問題経験を検討していく。
3人とも単純性血管腫という症状を持って生まれていて、顔の他にも首や肩、全身にまであざが及んでいる人もいる。幼い時からそれぞれいじめや、親からの負い目、就職、恋愛、結婚全てにあざがあるとこにおいて苦難がついて周ってしまう。その苦難は女性であるが故の特有な問題経験である。筆者が「女性」に着目してる理由は、この女性であるために特有な問題経験があることと顔という他の部位と比べて特殊なところにあざがあるからである。
身体障害は世間では広く知れ渡っていて、車イスを使う人とかはバリアフリーがあったりとか、周りは丁寧な対応になっているし、生活し易くなってきたと思う。
しかし彼女たちのあざという症状では身体障害とは違って物理的に不便になることはないかもしれないが、内面的な部分ではとても苦しんでいると分かった。障害だけど障害じゃない複雑な立ち位置、それに女性というのも含めて。こういった人たちの気持ちを少しでも知ることが必要だと思った。

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感想投稿日 : 2016年7月21日
本棚登録日 : 2016年5月22日

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