消された一家―北九州・連続監禁殺人事件 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年1月28日発売)
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本棚登録 : 2305
感想 : 269
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本当に気分の悪くなる、気持ち悪い事件で、何度も途中で読むのをやめた。後半は駆け足だったけど、今は読了して良かったと思う。酷すぎて、口にするのも恐ろしい事件と登場人物たち。暴力に支配されて、家族を殺すのもやむなし、に至る心理。普通では理解できないと思う。私も、理解できない。この本に登場する被害者も、その遺族も、
事件のことを公表されるのを望まないのは当然と想像できる。遺族が遺族だけでいられない中身で、だから、単に被害者と言って、同情することも難しいからだ。だから、被害者遺族の証言も難しいだろうし、裁判になっても、傍聴するのも憚られるだろうし、、、それを思うと、読んでる途中では、なんでこのライターは、こんな事件をわざわざ書くの?誰にとってもいいことなんて何もないのではないか?という思いに駆られてた。読み終えてみると、人間が暴力で支配されていく心理を、もっと法律の専門家とか、家庭問題の専門家、犯罪抑止の専門家、などなど、とにかくいろんな人がしっかり学ぶべきだと思うようになった。
はぁ、それにしても、我慢に我慢を重ねての読了なので、星は三つにしておきました。作者の豊田さん、お疲れ様でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション(事件)
感想投稿日 : 2023年4月4日
読了日 : 2023年4月4日
本棚登録日 : 2022年6月4日

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