片づけで発見されたので再読。どんなんだっけ…と記憶を辿りつつ(だいたい覚えてはいた)。
いわゆる雪山山荘での連続殺人ものという、コナン君なんかも何かと出くわしそうなシチュエーション。「犯人は2人」というのが新しいという売り?のようだけど、率直に言って「それが新しさなの?」という感想だった。
ひとりの人物(この場合は最初に登場する編集者)が思いついたプロットが、本人の知らないうちに現実に動き出してしまう…というのもちょっと新しいと言えなくもないんだろうけど別に面白くはない。
帯に「この物語に『主人公』はいません」と書かれていて、これもどうやら本書のセールスポイントみたいなのだけど、たしかにその通り視点が登場人物ごとにコロコロ変わる。別に面白くはない。そこには"犯人"が当然ながら含まれるので、よほどうまく伏線を張って読後に「あそこのあれは伏線だったのか!」と唸らされるとかでなければ意味は薄いと思うし。
タイトルも凝っている割には「はああなるほど、そういう意味があったのね!」とは思えなかった。
あと個人的には「奇巌城」の異名を持つお屋敷、要塞っぽく設計されたってだけで全然奇巌城どうでもいい感じだった。単にキャッチーさを狙ったのか?という程度の印象で、なんか肩すかし。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2020年6月7日
- 読了日 : 2020年6月7日
- 本棚登録日 : 2020年6月7日
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