3年前のこと。
甘いピンクのお菓子の缶のような表紙をあけると、おいしそうな生チョコレートが並んでいる本を見つけた。中表紙の先はお菓子の本ではなく字がいっぱい。
時は聖バレンタインにも近く、『すべての人を幸せにしてしまう 不思議なチョコレートを売る母娘の物語』(帯)に惹かれて購入さっそく読了。ほんとに不思議でおいしかった。(2002年1月29日)
カーニバルの風に乗って、フランスの小さな村「ランスクネ・スー・タンヌ」に流れてきた母娘。
「ヴィアンヌ・ロシェ」と6才の女の子「アヌーク」。
復活祭の前の質素な食べ物にして神に感謝する期間にチョコレートショップを開いてしまった。
教会の隣に。神父さんが面白かろうはずがない。
母娘は魔女だった。いや、魔女にしてしまった。
このあたりは欧米との宗教観の違いで日本人にはわかりにくいところという。
例えば「緋文字」(ホーソン)などで壮絶な葛藤が繰り広げられる、歴史的なものはなかなかうかがい知れないが、日本でも魔女狩りにあたるのは異質なものを排除するだとか、いじめに相当するのだと思う。
しかし、この物語の魔女は魅力的、お客のチョコレートの好みだけでなく、その人の夢や希望をあててしまうという力。もしかして、心さえあればみんなが持っている力かもしれず、じゃ、魔女といわれたいかも。
とにかく、チョコレートとおいしいものに囲まれて、邪悪とはなんだったろう、という感動の物語。
映画もその頃公開されていたね。今度映画も観てみようかな。
- 感想投稿日 : 2021年9月10日
- 読了日 : 2005年2月14日
- 本棚登録日 : 2021年9月10日
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