何とも不思議な読み心地(^ ^;
まず、探偵は主役ではない。
櫃洗市という地方都市を舞台とした、連作短編集。
舞台設定や時間軸は連続していて、
各章の出演者同士も微妙に絡みがあったりする。
その「狭い世界」の中で起きる様々な不思議を、
市役所の「よろず相談窓口の臨時出張所」みたいな
神出鬼没な場所に陣取る男が解決していく。
その男の風貌が、特に特徴もとらえどころもない
「公務員顔」で、今どき腕貫(腕カバー)をはめている。
...ということで「腕貫探偵」となる(^ ^;
探偵は(全作品通して男の名前すら出てこない)、
相談者から話を聞いただけで、本質をズバズバ言い当てていく。
正に快刀乱麻の活躍...ではあるのだが、
当人は無表情&無感情(^ ^;
徹底して「我関せず」(^ ^;
相談者から持ち込まれる内容は、
殺人事件から「ちょっと不思議」まで、様々。
また登場人物も事件もバラエティに富んでいて、
アハハと笑い飛ばせるものからホラーテイストまで、
一冊で何作品も読んだような充実した読後感(^ ^
基本的には明るく楽しい文体で、
微笑ましい恋愛事情なども絡んでたりして、
ほっこり幸せな気分で読める(^ ^
エンタメとしては、とても上質かと(^ ^
文庫版の巻末解説が秀逸(^o^
本文より後書きで吹いた(^ ^;
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2020年10月1日
- 読了日 : 2020年9月29日
- 本棚登録日 : 2020年9月23日
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