無実の罪でとらえられた男二人。
鉄壁の監獄から脱獄することはできるのか。
脱獄を決意するまでの物語が彼らに関わる囚人たちのそれぞれの人生を絡めて深みを見せる。
どうやって、どんな方法で。読みながら心臓がどきどきを止めない。
世をはかなみその身を恨み拗ねて人生をあきらめていた一人の弓削の心に火をつけていった三人の男たち。
彼らとの出会いが前代未聞の脱獄計画を成功へと導いた。
ド派手な手ではない。地味で面白みがない計画だからこそやられた側の悔しさが目に見えるようだ。
監獄からの脱獄、という特殊な物語ではあるけれど、これはいろんな組織の中で理不尽な仕打ちにあったりまっとうな評価を受けられないその身にうつうつとしているすべての人への応援歌でもある。
「ショーシャンクの空に」を見たときの、あのすがすがしさのようだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2023年9月
- 感想投稿日 : 2023年9月4日
- 読了日 : 2023年9月4日
- 本棚登録日 : 2023年9月4日
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