やっと訪れた春に

著者 :
  • 祥伝社 (2022年7月12日発売)
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感想 : 19

百十八年間藩主が二つの家から交互に立っていた橋倉藩。そのため近習目付も二人。
その交代制を終わりにした分家当主が暗殺。身体の衰えを理由に隠居しはじめていた二人の近習目付がその真実に迫る。
67歳。今ならまだまだ元気に現役で仕事をしている年齢だろう。それでも身体は衰えていく。
それぞれに重い荷物を降ろし、それぞれにやっと訪れた春を謳歌しようと思っていた矢先の事件。
真実を探る二人に降りかかる過去の因縁。
丁寧に梅仕事をしながら友と語らい合いながら余生を楽しむ、後添えももらう、やっと春が訪れたのだから。
そんなささやかな幸せを阻む過去から続く見えない何か。
梅の香りがほのかに流れる。来年の春に、きっと思い出すだろう。梅の花が、その実が、もたらすはずだった遠い時代の春のことを

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022年7月
感想投稿日 : 2022年7月16日
読了日 : 2022年7月16日
本棚登録日 : 2022年7月16日

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