過去を向いているな、と思う。凡庸な言い方をするが、それこそ「記憶を生き直す」ことが試みられていると。だから言ってみれば、思いつくままに書くとプルーストやゼーバルト、ナボコフが書いたような作法で自分の記憶と批評的に向き合いそこから哲学的とも言える思索・思弁へと至る。そこに官能というスパイスがまぶされることで(だが、ことごとく書かれる男たちがこれまた「凡庸」な人間たちばかりに見えるのは私だけだろうか?)独自の世界が形成される。観念的・哲学的な思考とエロティックでフィジカルな描写のアマルガム、と言えると思われる
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- 感想投稿日 : 2023年5月2日
- 読了日 : 2023年5月2日
- 本棚登録日 : 2023年5月2日
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