ピクニック、その他の短篇 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (1998年12月10日発売)
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本棚登録 : 190
感想 : 15

過去を向いているな、と思う。凡庸な言い方をするが、それこそ「記憶を生き直す」ことが試みられていると。だから言ってみれば、思いつくままに書くとプルーストやゼーバルト、ナボコフが書いたような作法で自分の記憶と批評的に向き合いそこから哲学的とも言える思索・思弁へと至る。そこに官能というスパイスがまぶされることで(だが、ことごとく書かれる男たちがこれまた「凡庸」な人間たちばかりに見えるのは私だけだろうか?)独自の世界が形成される。観念的・哲学的な思考とエロティックでフィジカルな描写のアマルガム、と言えると思われる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月2日
読了日 : 2023年5月2日
本棚登録日 : 2023年5月2日

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