カンバセイション・ピース

著者 :
  • 新潮社 (2003年7月1日発売)
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本棚登録 : 321
感想 : 49

綿密に書かれた野球試合の様子、住む家の構造、自然、思弁そして人々の(時に途方もなくスケールの大きな)会話。そういったものがタペストリーのように織りなされ、豊かな世界を産み出している。実に保坂はその五感を通して世界を体験/体感し、それを文字だけで構成される小説という器の中で私たちにも追体験させんと書き綴る。ゆえにその記述は安易に読み飛ばしてしまってはならない。ダラダラと書き連ねられているようで、こちらの五感を試す実験的な試みがなされているようでもあり、実にオーソドックスな日本文学の世界に回帰する作品でもある

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月20日
読了日 : 2022年3月20日
本棚登録日 : 2022年3月20日

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