映画『ヴァージン・スーサイズ(The virgin suicides)』を観た後だったか…前だったか…いずれにせよ学生の時に読んだ。そしてあの時期に読んだからこそ、必ずしも輝いているばかりではない思春期の感受性だったり倦怠感だったりに納得したのかもしれない。今なら客観的にしか読めない。
13歳から17歳までの五人姉妹の話を近所の少年たちの目線で描いている。邦訳を『自ら命を断った少女たち』なんかにせず、「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」にした訳者のセンスには脱帽する。タイトルを見ただけで初夏の生暖かく不穏な空気が感じられ、ヘビトンボの儚さと気味悪さが物語全体の雰囲気を想起させる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年4月23日
- 読了日 : 2006年3月31日
- 本棚登録日 : 2021年4月23日
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