特に良かったのは次の三編。
横溝正史「かいやぐら物語」 - 語り手と月夜の浜辺のまばゆいようなひんやりとした美しさと、怪談の結末に漂う腐臭の対比がよかった。横溝正史って「スケキヨの人」ぐらいにしか知らないんだけれど、こういう怪奇幻想物はもっと読んでみたい。
幸田露伴「幻談」 - 28ページなのに最初の10ページが山と釣りの蘊蓄。やっと話が始まったと思ったら、とても微妙なうっすらとした怖さ。「甘くなくておいしい」お菓子のような良小品だった。
久生十蘭「妖翳記」 - 冒頭ではごくまともだった男がツンデレ系お姫様に翻弄されて、謎の理屈にのっとって転落していく様がナイス。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本 - 小説/物語
- 感想投稿日 : 2012年2月18日
- 読了日 : 2012年2月18日
- 本棚登録日 : 2012年2月18日
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