アフリカの印象 (平凡社ライブラリー る 3-2)

  • 平凡社 (2007年6月1日発売)
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本棚登録 : 196
感想 : 8
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アフリカのポニュケレ国に漂着した欧米人が、国王の聖別式で催す演芸大会。前半はその様の描写、後半はそれぞれの出し物の背景や仕組みの説明が、ルーセル独特の緩急のない文体で綴られる。正直よく眠れる本なのだけれど、姉妹作の『ロクス・ソルス』や岡谷さんの解説本を読んだあとなので楽しく読めた。なんと言っても出し物の話なので、意味がわからなくてもそれなりに楽しい。特に、猫がらみの出し物や、動物や奇妙な楽器を使っての演奏の章がよかった。

ストーリーより喚起されるイメージに魅力があるという点で、いわゆる小説ではないかもしれないけれど、よくこんなことを思いつくなあと驚かされるのは確実。画集をめくるような気持ちで読んで、ちょうどいいかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フランス - 小説/物語
感想投稿日 : 2013年2月10日
読了日 : 2013年2月10日
本棚登録日 : 2013年2月10日

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コメント 3件

だいさんのコメント
2013/02/11

書名から、冒険記かと思って読むと、びっくりしますよね。

なつめさんのコメント
2013/02/11

ああ確かに! 土地の人が黒人ということくらいしかアフリカの要素がないですよね。何でこの題名なんでしょうね

だいさんのコメント
2013/02/11

>イメージに魅力がある
これが(著者の)impressionなのではないですか?
超現実の作品は、好き嫌いがハッキリ分かれると思います。受けた印象が良かったなら、それでいいのかも?

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