2 続いて、「ベルリンは晴れているか」の深緑先生がおすすめされていたこちらを。時は同じく第二次大戦末期。ナチスに捕らえられ、情報を書き記すことで尋問を逃れた特殊部隊所属のクイーニー。ところが手記は小説の体裁を取り、親友のマディとの出会いやこれまでの歩みを克明に記したものだった……というのが第一部。
第二部はマディ視点で、クイーニーを救出すべくレジスタンスと活動をともにするうち、真実(=ヴェリティ)が明かされるという構成。
イギリス補助航空部隊(ATA)とピーターパンを絡めたお話は過去に同人誌で読んだことがあったので、不思議な縁に首を捻ったものです(もちろん作者さんにはこちらも勧めました)。
聡明なクイーニーと、勇敢なマディ。ふたりの友情を無惨に引き裂いた戦争に憤りつつ、それをどこにぶつけてよいのかと持て余しているうちに号泣に変わる巧みな構成で、言葉を失います。「尊い」ってこういうことを言うんじゃないのかな……
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2019年1月9日
- 読了日 : 2019年1月9日
- 本棚登録日 : 2019年1月9日
みんなの感想をみる