文体の科学、それこそ科学の論文みたいなものを想像していたが、もっと気軽に読めるエッセイだった。文体の体というとボディじゃなくてスタイル、つまり造形というか表現形式のことであり、文体とは典型的にはある特定の作家についてその文章の特徴的な形式を指すものと思うが、この本ではあらゆる文を分析の対象としており、あまりにその範囲が広いので、読み始めてそら恐ろしい気持ちがした。読み終えてまだまだ全貌が見えず、(私自身全然こうした分野には明るくないが、文章の持つ機能と形態については言語学者や哲学者が色々既に手を付けていそうだし)この1冊での評価は難しいような気もするが、著者の興味関心がどのような文章へと向かっていくのか、古代の遺跡や現代的なオフィスといった建築を一緒に旅して眺めるような感覚で楽しんで読んだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
非フィクション
- 感想投稿日 : 2022年7月19日
- 読了日 : 2022年7月19日
- 本棚登録日 : 2022年7月19日
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