大震災を受けて地球の裏側の人との連帯感を深められるか?
2011-03-11に起きた東日本大震災の1か月後に行われ,「究極の選択」と題されたテレビ番組としても放映されたサンデルの特別講義の議事録と,ハーバード大学で行われたシンポジウムでのサンデルの基調講演が収録されている。
書籍自体は60ページと量はそんなにない。しかし,震災後発生した避けられない問題について熱く議論している。
1. 原発処理などの危険な作業は誰が負担するか?
2. 原子力と人間との関わり方
そして,最後に震災を受けて,「地球の裏側の人に対しても連帯感が持てるか」という問いが人類に投げかけられているとサンデルは主張している。
情報技術の発達により,昔とは異なり地球の裏側のことも瞬時に知ることができるようになってきた。グローバル化により,国境を越えた人類という共同体としての連帯感が必要になってきていると感じた。
今回の震災でサンデルが日本に対して,気にかけてくれたのはありがたかった。
短い本だがその分値段も安く入手しやすい。震災で発生した問題を道徳的にどう考えるかというよい視点が得られた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
Justice
- 感想投稿日 : 2016年8月21日
- 読了日 : 2016年8月21日
- 本棚登録日 : 2016年8月21日
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