アフターダーク (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2006年9月16日発売)
3.17
  • (459)
  • (1162)
  • (3010)
  • (709)
  • (202)
本棚登録 : 16189
感想 : 1285
4

「月のもの」が早く訪れたために生み落とされた憎悪は
メッセージの誤配として、無関係な人々に不安を拡散していく
一方、テレビの向こうの世界では
興味をひかないニュースの裏で、浅井エリに個人的な危機が迫っている
ありふれた夜だ
高橋という青年は、おそらく
世間一般に流布されている村上春樹作品のイメージに
強く影響を与えた登場人物のひとりで
非常にしゃべりのうざったいサブカル糞野郎だが
じつは法律の仕事に進みたい野望を持つ真面目な男である
だから気のない素振りを見せつつ、気を引く素振りも忘れない
そんな浅井マリだった
東京のありふれた夜である
歯車は回らないが、観察する私たちの視点が空に浮いている

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年6月25日
本棚登録日 : 2017年6月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする