シリーズ2作目。
1作目は1作目で完結しているのですが、「続編を」と出版社に言われて出版されたそうです。
なので、シリーズ2作目と言いつつ、むしろ、新章開幕というか、ここからシリーズ物として始まる序章という感じ。1作目とは同じキャラが登場するものの、全然違うタイプの作品だと思うので、1作目が良かったので期待している方にはオススメしません。
ここからは、龍神の成長物語というより、面白い(魅力的な?)キャラが登場し、そのキャラといろいろな出来事を通して、何かを伝えてくる、考えさせる物語だと私は思います。でも、登場するキャラはこの作者の好みのタイプか、典型的な嫌な奴かな(苦笑)。
2巻目での大きな出来事は、エスぺロスの登場、でしょうか、やっぱり。
彼女の大人なのか子供なのか分からないキャラは魅力的なのでしょうね。とりあえず、異世界の人なので、一歩引いた目線というか違う見方が語られるので、読んでいるほうも気付くことがあるような気がします。
龍神の少し達観した言動も良いですが、信久の苦労しているが故の明るさと逞しさも良いです。足を治す治さないのくだりでは、「どうしようもないと思っていることが簡単に何とかなると言われたら」と、自分のことのように一緒に考えてしまいました。こういうところで、あるべき姿を自然に描いているのが、この作者の作品の良い所なのかなと思います。
「僕らはまだまだ未完成品」って、言い訳ではなくて、前向きな意味で、良いなと思いました。
そう言っては何ですが、ファンタジーで良いけれど、設定として、お金が何とでもなって、万能な人がいるという点では、ん~、現実とはかけ離れているというか、現実世界のようでいて現実ではない、確かにファンタジーです。なので、そのつもりで読まないと、「世の中、こんなに簡単じゃない」と反感を覚える人もいるのかも?この辺の設定は、そういうものだと割り切って読まないと、という作品でもあります。
- 感想投稿日 : 2012年7月20日
- 読了日 : 2012年7月20日
- 本棚登録日 : 2012年7月20日
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