ふたたびの虹: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(三) (光文社文庫 な 43-4 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)

著者 :
  • 光文社 (2018年7月11日発売)
3.58
  • (10)
  • (19)
  • (21)
  • (3)
  • (2)
本棚登録 : 189
感想 : 13

いいお話が多くて読んでいて温かい気持ちになりました。
苦楽を共にした奥様を亡くした御隠居に寄り添う小萩のお話は御隠居の気鬱が晴れる過程が小萩の気付きにも繋がっていていいお話でした。
御隠居が奥様を亡くした悲しみや寂しさは消えることはないけれど和らいでいくきっかけを小萩とお菓子が作れたことに目頭が熱くなってしまいました。
家事や販売業務も担う女性は男性と違って菓子職人の修業だけに専念できない。
そのもどかしさが小萩の内心にもあるようですが腐らず今出来ることで精進していこうとする彼女は健気だと思います。
留助さんの恋話は実ってよかったです。留助さんの作る栗蒸羊羹はとても美味しそうです。
地味美人のお文お嬢さんが再登場してくれてうれしいです。
小萩の良き友として引き続き出番がありますように。
危惧していた対決縛りがなくなってよかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020年読了_本
感想投稿日 : 2020年10月30日
読了日 : 2020年10月30日
本棚登録日 : 2020年10月30日

みんなの感想をみる

ツイートする