夏美のホタル (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2014年8月25日発売)
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本棚登録 : 439
感想 : 53
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恵三さんのしんみりした身の上話が、夏美さんの声かけでさらに潤んでくる。空気を換えてくれる弾む声と背中をさするあったかい手。
夏美さんはとっても魅力的だ。やや内気なしんごくんも。
田舎の風景は私の子どもの頃のまま。夏は、公民館で柔道を習った帰りにふわりと浮かぶホタル。冬は、星空を見上げ、学校で学んだ北斗七星やカシオペア座をさがしながら帰った。
森沢明夫さんの描く自然描写はさりげなく美しい。風鈴の音、葉ずれの音、線香花火、ヒグラシの声。そして異質物みたいな雲月さんの角もとれていく。

才能とは覚悟

人と人のつながりが
人と人の絆が信じたくなる
そんな作品だった。
爽やかな清涼剤であり、掘り炬燵みたいな作品。
作者にありがとうと伝えたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 森沢明夫
感想投稿日 : 2024年2月9日
読了日 : 2024年2月9日
本棚登録日 : 2024年2月8日

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