ジェノサイド 下 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2013年12月25日発売)
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本棚登録 : 7123
感想 : 642
5

素晴らしい作品に出会えたことに対し、止めどなく湧き出てくる感動で胸がいっぱいだ。読み終えた満足感と達成感は並大抵のものではなく、この小説が在り来たりのものではなく、希代の大作であったと、総毛立つ想いである。正に神憑り的な作品だ。

巻末に参考文献が、他の小説では類を見ない程たくさん陳述されていた。著者の並々ならぬ創作意欲が、この一点を見るだけでも窺い知ることができる。

著者がこの物語を書き出すに至ったインスピレーションはどのようなきっかけで得たのだろうか。その才覚に畏怖を感じる。
また、そのイマジネーションはあながち架空の物語と割り切れないほど現実味を帯びている。著者がこの小説で構築した世界は矛盾無く一貫したストーリー性を持ち、完全に引き込まれてしまった。

まだ若輩な私ではあるが、この作品はこれまで読書に費やした半生において最高評価に類する、唯一無二のカラーリングを有す、間違いなしの超大作だ。心に刻まれた読了後の感覚は、きっと一生忘れることはないだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年1月21日
読了日 : 2014年1月21日
本棚登録日 : 2014年1月21日

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