病の床にありながら、物事への深い洞察と好奇心を失わず、命の灯が消えるその二日前まで新聞に綴ったエッセイ集。
死が目前まで迫っているという事実を忘れてしまうほど、ウィットに富んだ話や、芸術論、俳句談義、日常の細々としたつらつら話などがほとんどの中、どうかした拍子に「拷問だ」と言って憚らないほどの苦痛を切々と訴える回もあり、改めて、病床で苦しみながらも「書き続ける」ことを支えとして最期の時を自分らしさを貫き通そうとした子規の、生きることへの姿勢につくづく感服させられた作品であった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説以外(エッセイ・ノンフィクションなど)
- 感想投稿日 : 2012年3月24日
- 読了日 : 2012年3月24日
- 本棚登録日 : 2011年9月9日
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