アルトの声の少女(1) (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社 (1980年4月24日発売)
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本棚登録 : 17
感想 : 4
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小学生以来。読み返すと、ここまであからさまでおセンチな感じだったかしらん、と驚く。内田善美の「ひぐらしの森」の数ヶ月後に連載が始まっているのですね。男の子っぽい女の子は誰にも属せず、誰も所有せず、でも人気者で、女の子っぽい女の子はエキセントリックで、正直で、ワガママで、たったひとつ以外は何も要らないという。女子間の愛情、独占、嫉妬は、男女間へと移行するまえのシュミレーションではなく、憧れと諦めと、抵抗と順応が、しっちゃかめっちゃかにブレンドされた、どういう女になるか、という自我の格闘なのだなー。いつの世も思春期はコムズカシク、女子ロールモデルは困難。
アルトはソプラノの下、女性の低音部のことですが、本来アルトの語意は高い。女性の低音部をアルトというのは、コントラルトの略だそうです。
Contralt。高いのに対する、の意。ほかに道があるはずと、模索は王道です。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 読む
感想投稿日 : 2011年4月15日
本棚登録日 : 2010年1月28日

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