眠りの牢獄 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2013年2月15日発売)
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感想 : 95
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ハサミ男とおなじ衝撃を受けた。面白かったポイントは2つある。

 1つめは、浦賀が女というトリックに騙されたこと。
 一人称が僕、冒頭の亜矢子とのイチイチャ、これだけの要素で浦賀は男だと思っていた。考えてみれば、浦賀が男だと明言されてなかったのに。先入観の裏をかかれたどんでん返しに衝撃を受けた。
 今思えば違和感あったシーンは2つあったな。第一に、浦賀が吉野の路上ライブに行ってファンの子が不満そうな顔で去る所。何で不満そうにするんだろ?と思ったけど、浦賀が女だったら吉野の彼女だと勘違いしたんだろうな。第二に、浦賀と亜矢子が行為中。前戯たっぷり(足の指全部舐めるなど)したのに、なぜ本番しないか疑問だった。でも浦賀が女なら納得。だって女には入れるアレがないもんね。これにはヤられた。

 2つめは、吉野と北澤のキャラが濃くて面白いこと。
 吉野が気持ち悪かった。北澤の血をすすって人肉くうとか正気の沙汰じゃない。いくら保身のためとはいえ、「証拠隠滅のために死体食ったろ!」って、どんな神経してんだ...。吉野が浦賀を犯してるときの、腰を一定のリズムで犯してるのもコワイ。
 吉野が浦賀のことを「変態」「特殊な性癖」「お前の病気を治してやる」と表現してるのは偏見だなと思った。きっと彼は同性愛に対して激しい嫌悪感を抱いてたのに違いない。俺だったら相手がレズと知った時点で非難もせず手を引くね。
 北澤は俺と似てたので感情移入できた。俺も束縛されるの大嫌いだし、飽きたらすぐに女を捨てるし、その場限りの関係多め。
 冴子が束縛女でうざかった。あの束縛具合じゃ嫌気がさす北澤に同情。別れて正解だったと思う。さすがに彼女の親友に手を出したのは解せぬがね。冴子が掲示板に書き込むときと、北澤本人にメールしてる時の温度差のギャップが怖かった。束縛女と別れる時は穏便にしなきゃアカンでしょ。

 俺も今までワンナイトした女に悪口書き込まれてると思うと身震い。もしかしたら殺したいほど憎まれてるかもしれない。冴子のような女に捕まらないよう用心せねば...。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年12月27日
読了日 : 2020年12月27日
本棚登録日 : 2020年12月27日

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