これぞディストピア・オブ・ディストピアって感じ。「こんな未来は嫌だ」の大喜利のような暗い設定ばかり。絶対にこんな世界で生きたくはないが読み物としては好みだ。
特に『イエローカードマン』の世界が一番暗くて嫌だったなー。
『ポップ隊』の設定は映画化されそう。
特に“科学技術による生命倫理への挑戦”みたいなテーマが好きな作家さんっぽい。
人格をデータ化して小さなキューブに保存したり、楽器のように改造したり、遺伝子操作で不死身にしたり。
環境破壊のせいで新たな格差社会が生じたり、人々が痴呆化したり。科学技術が部族間の争いに繋がったり。
各短編の翻訳を中原尚哉さんと金子浩さんの2人が別々に担当されていて、なんとなくだけど、中原さんが翻訳したのは内省的な主人公の内面描写が多い作品で、金子さん翻訳の作品はそうでないものが多い気がした。
どちらも甲乙つけ難く好きです。
『カロリーマン』『イエローカードマン』と同じ世界観で描かれてるらしい『ねじまき少女』も是非読んでみたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2022年10月2日
- 読了日 : 2022年9月25日
- 本棚登録日 : 2022年4月24日
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