Media Control: The Spectacular Achievements of Propaganda (Open Media Series)

著者 :
  • Seven Stories Press (2002年9月3日発売)
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随分前に読んだので、正直詳しい内容は覚えてないのですが、あぁ、政治やメディアを斬らせたらChomskyはナマクラだなとおもったのを覚えています。彼自身、自分がインテリであることと「これは大衆向けに書いているんだ」ということを意識しすぎてしまったのでしょうか。著作において大衆をターゲットとする場合、一番難しいところを端折らずに根気よく、かつ分かりやすく説明する事は非常に難しい事ですが、同時に、一番手を抜いてはいけないところでもあります。この本の中では「9・11後のメディアの報道の仕方や政治方針への疑問の声が(おそらく、’インテリ村に住む僕の周りでさえ’)まったく聞かれなかった。」と言うような調子になって、一番大事なところでさぼってしまっている。というのも、これは嘘であるとしか思えない。ほとんど同時期に名もないジュニアカレッジの生徒だった私でさえ、Philosophy Clubで”War on Terrorism”と同じ調子で”War on Iraq”と言うのはあまりに危険じゃないか、つまり、RhetoricalなWar(テロリストとの外交は表向きはあるはずがないので)と外交における最終手段であるWarをごっちゃにしてはいけない、と繰り返していたのだから。要するに賛成、反対の決をとる以前に、「何が起こってるかを実は我々は良く知らないんだ」という認識は私にさえあって、それが、Chomsky大先生の周りで、MITの教授であれ生徒であれ、全くいなかったはずはない。
それでも、NPR(National Public Radio)は少なからず、バランスを保ってたのも事実。
もちろん、掘れば底のない問題を薄い冊子にまとめたことからも、Chomskyの名前を使った底辺の注意喚起を目的としたものなので、確信犯だろうけど、それでも大衆をなめたらいけません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 洋書・その他
感想投稿日 : 2007年4月17日
読了日 : 2003年9月13日
本棚登録日 : 2007年4月17日

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