重苦しい印象だったケイロニア編は、前巻でオクタヴィアが女帝になりました。で、一旦小休止。今回は、それ以外の話はどうなってたわけかい?という段です。いやはや、はい。面白うございました!おなかいっぱい。グイン・サーガはこうでなくては。
まずはヤガ編。ゴーラのドライドン騎士団所属のブランが、ヨナ達一行を探しているお話。飄然としていてMP満杯の強い強いじじい二人(言い方)と共に探索を続けるところが描かれ、次のヤガは、確かに『スーパー魔道じじい大戦』になりそうです。会話の味も戦闘のおどろ激しさも、グイン・サーガらしくて楽しめました。早く怒涛の展開の戦闘を読ませて欲しいものですね。
次に、時間軸は巻き戻り、前巻の直前、つまりササイドン選帝侯会議の直後にまで遡ります。ちょうどパロはゴーラのイシュトに襲撃され、またも壊滅した折、ケイロニアに逃げてきていたヴァレリウスやマリウスが、オクタヴィアの即位を知り、グインもパロ簒奪の陰にキタイの竜王の暗躍があったことや、カメロンの死を知る…つまりパロ・ケイロニア間の情報の齟齬がないように、ここで作品世界上調整がなされ、ナリスの影も今一度読者に思い起こさせられるわけです。
ヴァレリウスとグインが情勢を語り合うあたりは、ぐっと来ますね。悪し様に言われるシルヴィア皇女ですが、グインにとってはやはり、愛した女性だったことがわかって、泣かされます。
第三話めは、懐かしい!スカールとスーティのヤガへの旅が描かれ、ウーラやザザも顔を出します。五代さんの次巻では、おそらくスーティ親子の対面や、スカールを巻き込んだ『スーパー魔道じじい大戦』が見られそうだと、本編の中で動いている大きな話…。
1ケイロニアの陰謀編
2パロとイシュトのゴーラ対決の密かな伏線編
3ヤガとミロク教、つまりキタイの暗躍編
4グインやキタイのような、外宇宙から飛来したらしい亜人種たちのお話。つまり失われたグインの記憶に関するあれこれ。
の空白が埋まって前に進み、読者もきっちり知識のおさらいが出来ました。ああすっきりした。
次は宵野ゆめさんの執筆でケイロニア編のはず。
私個人はスーティばっかりいい子なんじゃなくて、ドリアンも、シリウスも、グインのお子ふたりも、マリニアも、次の世代は一丸となって中原を治めていく、新国家の幕開けをグインが見届けて、彼が旅立つ…てのを見たいので、ため息が出そうなのです。はい。
ともあれ、発売されたばかりの最新刊まであと数冊。
これからケイロニア編に戻ります。
- 感想投稿日 : 2019年5月12日
- 読了日 : 2019年5月12日
- 本棚登録日 : 2019年4月19日
みんなの感想をみる