<u>JTの海外ビジネス成功について</u>
本書がかならずしも明示的に書いているわけではないが次のように読んだ。
タバコ業界は儲かるものの成長性に乏しいキャッシュカウとみなされて投資がされない傾向にあった。そこにキャッシュを持て余したJTが登場。買った会社に必要な設備投資、マーケティング投資をして他社との競争を制した。マクロ的・長期的に見て安定・成熟した業界であっても、資源投入して他社と差別化して収益を得る機会は、局所的・中短期的に見れば十分にあるという教訓。ちゃんとJTの業績は分析していないが特に新興国で伸ばしているのでは?日本でリストラ余地がおおいにあったこともプラスか。
<u>JTという会社の特殊さについて</u>
成功しているから良いものの、これでコケていたらジュネーヴは関東軍呼ばわり必至と思える。ガバナンスはあると筆者は言うが、ほんとに東京の本社でJTIをマネージできているのか正直疑わしく思う。どう見ても本社2つあるだろ。これでやれているのだから立派だが、正直どうやっているのかいまいちわからん。
・電子意思決定システムで上位者が下位の決定を見られるというのはまあそうだろうが、見られているという牽制で良しとできているあたりが偉い。どうしても事前規制型のガバナンスをしたくなるので、こういう”informed”の形を取り入れるのはスピード向上に大事では。
・地域と機能のマトリックス型組織だと。ほぼ単一事業である分すっきりするのか
・財務経理機能の中でも、やはりファイナンスと税務を重視している模様
・M&A統合のキモはやっぱり対話
- 感想投稿日 : 2018年11月5日
- 読了日 : 2017年2月4日
- 本棚登録日 : 2018年11月5日
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