トルテックとやらの発明者がそもそもこれを学ぶ者に魔術をしてモチベーションを喚起させている点に特異性を感じる。
浮世離れした出来損ないのデウスエクスマキナどもとは毛色を異にするあまりにも人間臭いこの無名の神にこそ神性を感じるのは、人間の地獄をご経験なさっているかのような痕跡のせいだろうか。魔術を以って魔法をなすなどという、なんだか(自分の作った)この世界のルールにひっかからない風な手を使う神さまとは、これまた神の新たな魅力を斬新に見せつけてくれたものだ。
ただしこの本自体は著者がこの神さまのスピードにまったくついていけておらず、バランスがとても悪いのでデコードが必要。
自分が何一つとして理解していないことに気づいているかいないのか知らないが、闇雲を書き殴るこれまた俗人然とした凡庸な俗人が著者であるという奇妙な構図も見ようによっては鑑賞に値するのかもしれない。
以下、メモ
■四つの約束とは(私的なデコード)
1正しい言葉を使う
言葉は魔術そのものだが意図なくして魔術にはならない。意図が先立つなら全ては魔術になり、結果正しい言葉しか使えなくなる。
2なにごとも個人的に受け取らない
意図を持てる者など皆無。自分の意図を信じるのは結構だが、同様に他人の意図を信じてかけられてもいない魔術に自分でかからない。
3思い込みをしない
愛は他者の望みや感じ方を理解する能力を有する。だが愛を持てる者など皆無。繰り返し表現をし、理解されないことを習慣として鍛える。
4つねにベストをつくす
報酬のための行動でなく、夢を表現する行動に熟練する。
■トルテックになるために習熟すべき3つのアート(技術)
1気づきのコントロール。自分が本当は誰であるのかをその全ての可能性とともに気がつくこと。気づきはつねに最初のステップ。気づけば反撃し、もうたくさんだと言うことができる。(殆どの人は自分が自由でないことに気づいておらずなぜ自由でないのかすら理解できていない)
2飼いならしのプロセスを変え、そこから自由になるという変容の技術をマスターする。
3「意図」をマスターする。意図とは変容のエネルギーを可能にする道の一つ。全てのエネルギーを包括する生きた有機体がある。それを神と呼んでもよい。意図とは、それ自体、生命であり、無条件の愛。意図をマスターするとは、言い換えれば愛をマスターすることである。
■戦士になる
シャーマンの伝統においては心の中の寄生体の侵略に対して戦う者として戦士と呼ぶ。
戦士であることはこの地球の夢を超え、私たちの個人的な夢を天国と呼べるような夢に変える機会が与えられることである。
1戦士になるには
気づきの力を持つ。戦いのさなかにいることに気づく。心の戦いの訓練が重要。自分自身であるための訓練。コントロールの力を持つ。
2戦士と犠牲者の違い
・犠牲者は感情を抑圧する:抑圧は感情を見せることを怖がり言いたいことを言うのを怖がること。
・戦士は感情を抑制する:抑制とは感情を維持し、それを早すぎず遅すぎずに適切な時に表現すること。自分の感情を完全にコントロールし、それ故自分の行動をコントロールする。
■寄生体を破壊する3つのアプローチ
1寄生体の頭を一つずつ潰していく。恐怖が起こるごとに一つずつ向き合っていく。一つの恐怖に向き合うごとに自由になっていく。
2寄生体に餌をやるのをやめる。恐怖からくる感情が燃え上がるのをやめる。
3「死への入門」象徴的に死ぬ。死への入門とは例えばあと一週間しか命がないと考えて生き、心の中にあった古い夢が永遠に死ぬこと。死の天使に降伏すれば永遠に幸福である。死の天使は人生を続かせるために過去を奪い取る。寄生体が餌を得ることがなくなり寄生体を殺すことができる。
これらの世界をモーセは約束の地と呼びイエスは天国と呼び、ブッダは涅槃と呼ぶ。
■呼吸をすることは体の必要を満たすことでありそれは快いことである。幸福になり、人生を楽しむには呼吸をするだけで充分。生きていることの喜び、愛の感覚の喜びを感じよう。
- 感想投稿日 : 2015年1月27日
- 読了日 : 2015年1月21日
- 本棚登録日 : 2015年1月21日
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