読んでよかった。
しかしもう20年早く出会えていたらよかった。
母と娘のつらい関係について、こうやって抜け出したらどうかと具体的な場面の設定と会話があげられて提案されている。そのシチュエーションはまるで「どうして我が家の会話がそのまま載ってるの?」というくらい私の過去にぴたりと当てはまっていた。こうやって返せばよかったのか、と正解を知るのと同時に、こういう会話はおそらく一般的な毒親持ちの家庭では日常的に行われているのだなと知ることもできた。
今のところ実母とは絶縁状態なのだが、いつか接する機会があった時にはここに書かれていることを思い出して会話をしてみたいなと思った。しかし実際にはお互いが「お前が変われ!お前が悪い!」と思っているので(まさに『他者中心』)、片方だけが変わってもしばらくはそれこそ「負けたような」つらい日々が続くのだろうなと思われる。そんな思いをするくらいなら関わらないでいる方がずっと自分が幸せなので、あえて試してみようとも思わないが。
もともと私は娘の立場として実母との関係性について読み始めた本ではあるが、読んでいると「親はこういう気持ちでこういう言葉を投げかけているが、本来ならこのように子どもに接した方がよい」という、親へ向けてのアドバイスも書かれており、自分の子供と接するときのヒントにもなった。
また「自分中心」という考え方は、対母親だけではなく距離感の難しい義理親との付き合い方にも応用できそうでもあり、「娘として」「親として」「嫁として」の振る舞いに役に立ちそうな本であった。
実親との関係についてはそんなに簡単に変われることではないだろうと思いつつ、今関わり合いのある人たちとは、ここに書かれているような会話例を実際に口に出したりして良い関係を築けるように練習していきたいと思う。
- 感想投稿日 : 2015年3月8日
- 読了日 : 2015年3月8日
- 本棚登録日 : 2015年3月8日
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