遠すぎた輝き、今ここを照らす光 (新潮文庫 ひ 27-4)

著者 :
  • 新潮社 (2015年4月30日発売)
3.69
  • (6)
  • (17)
  • (10)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 150
感想 : 10
5

大人になるとはどういうことか。
追いかけてきた夢はどこであきらめるのか。

同じ中学、同じクラスにいても全く相容れることのなかった2人の男子と女子。

いつも正しいことを言い、誰とでもうまくやっていくことができる女子生徒と、いつもひねくれていて、人を信じることができず、一人でいることを選んだ男子生徒。

そんな性格の違うふたりの、人生をそれぞれに追いかけながらストーリーは進んでいく。「この子が大人になったらどんな人になるんだろう。」をまさに1冊に収めたような内容。しかも二人分。

「あの時こうしておけば、今はどうなっていたのだろう」子供でも大人でも、誰もが人生のあらゆる局面で感じる後悔にも似た思いに対する答えを、少し見つけることができたような気がする。

どのような人生を歩むのか、何が正解なのか、迷いと後悔ばかりの、そんな人生の深さを凝縮した一冊だと思う。

長い年月を経て、少しずつ近づくふたりの関係にも、爽やかなときめきを感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年3月23日
読了日 : 2016年3月23日
本棚登録日 : 2016年3月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする