日本のルールは間違いだらけ (講談社現代新書)

  • 講談社 (2009年10月16日発売)
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感想 : 19
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ちょっと面白そうかも・・・と思って買ってみたが、完全にはずした。

常用漢字について書いたところを読んでいて、「こいつサヨクか・・・?」と思ったが、まぁ、そういうわけでもなくて、単なる「残念な人」であるだけのようだ。

常用漢字に「璽」「朕」といった字が入っているのが変だと書いたあとで、

--------引用ここから--------
「璽」などは、ほとんどの人がまったく読めない。
 私は毎年、母校の上智大学で、非常勤講師という肩書きで数回の授業をやっている。教室で学生たちにこのクイズを出題するのだが、「璽」を読めた学生は、過去10年間ひとりもいなかった。
--------引用ここまで--------

などと書いているのだ。
最初ここを読んで、「璽をジと読むのは当然のことなのでそんなことわざわざ謎かけにするはずがない。こんな風に書いているのはもしかして、訓読みのことを言っているのか? もし訓読みなんだとしたら確かに自分もわからないぞ」などと勘違いしてしまった。
さらに読み進むと、

--------引用ここから--------
「璽」は「ジ」と読む。意味は、天皇のハンコのことだ。
 この字は「御名御璽」(天皇の署名と捺印)という言葉以外では、まず使われることはないが、これを知っている人は戦前生まれの人だろう。
--------引用ここまで--------

などと書いてあるのだ。「ジ」という読みなんか当然知ってるよ! 意味も知ってるよ。常識だと思うよ。当たり前のことを偉そうに書くな。
自分がバカなのを基準にして他人を評価しないでほしい。戦前生まれじゃなくてもぜんぜん知ってますよ、そんな言葉ぐらい。
しかし、上智大学の学生(の一部でしかないんだろうが)が、十年間誰一人として「璽」を読めなかったというのは信じがたい。本当だとしたら、・・・大丈夫か、その大学? (そういえば、引用していて思ったが、ふつう、「授業」じゃなくて「講義」って言わないか、大学の場合は・・・?)

「常用漢字というみんなのためのものに、天皇専用の字(朕だとか)が入っているのは不平等でズルい」というところからサヨク的な物言いが続く・・・のかと思ったが、そんなことはなくて、自分がおかしいと思ったこと(確かにおかしいことも多いのだが)に対する不満がまとまりなく列挙されているだけだ。文句が言いたかっただけ?

そして、最後の、2009年衆院選について書いたところは、もう、噴飯もの。共産党の票が全部民主に流れたらもっと圧勝していたのになぁ・・・なんて、まったく意味のない仮定に基づいて、だらだらとした計算が続いている。そんな単純な話じゃないでしょう!

単なる不平の羅列が読みたい人にはお勧めの一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 評論
感想投稿日 : 2019年1月2日
読了日 : 2009年10月31日
本棚登録日 : 2019年1月2日

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