殺戮のチェスゲーム 上 (ハヤカワ文庫 NV シ 17-1)

  • 早川書房 (1994年11月1日発売)
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本棚登録 : 70
感想 : 4
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「雪嵐」あたりに比べると文体も違って、こちらは「ハイペリオン」などのドラマに近い。
ストーリーはドラキュラ同志?の抗争によって巻き込まれた一般人の殺人事件を追う、保安官、被害者の娘、かつての被害者の3人の物語となる。
骨子はドラキュラものとなるが、そこがキングの様に壮大なドラマになり、クーンツの様に追うものと追われるものの戦いになる。
しかもドラキュラ側も二手に分かれ、人間側も様々な思惑でいくつにも分かれているので複数の視点で物語が同時進行しててややこしい。
時々戸惑うこともあるが、圧倒的な筆力でグイグイ引き込まれていく。
上巻だけでも相当なページ数でスカスカの日本の小説の3冊分くらいありそう。
逃げるドラキュラ、ドラキュラの組織、その殺し屋、保安官&被害者の娘、精神科医、FBI、モサド、が入り混じって雄大なストーリー。
ささげてある一人にクーンツの名前があるし、作中で主人公が好きなハードボイルト作家でウェストレイク、パーカーが上がってるの面白い。
映画の俳優の名前なども結構散りばめられてて豪華絢爛。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年4月12日
読了日 : 2014年3月8日
本棚登録日 : 2014年4月12日

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