龍臥亭事件: 長編推理小説 (下) (光文社文庫 し 5-28)

著者 :
  • 光文社 (1999年10月20日発売)
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本棚登録 : 898
感想 : 61
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一気に後半も読み終わった。後半になると話が昭和犯罪史の様相を呈してきた。昭和初期に実際に起きた猟奇的事件の見立て殺人と言う落ちに、複数犯という解決は少し無理があるような気がするが、意外性と言う意味では十分楽しめた。
ただ、その昭和犯罪史の同じ説明が何度も出てきたり、後半の延々200ページにわたる津山事件はルポとしては面白く読めるがこれがいくら主人公?の心情を描くためとはいえ、ここに挿入される必要があったかは疑問。綿密な取材の後はわかるが、架空の物語に実話を挿入するには無理があるし、これはこれで別個の作品にした方が良かったのでは?
ともあれ、迫力満点の筆力で、因習にとらわれた村とそこで起きる連続殺人事件を見事に描き切ってある。ほかの作品も読もう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本格推理
感想投稿日 : 2014年11月27日
読了日 : 2014年11月26日
本棚登録日 : 2014年11月27日

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