”ネズミ”となり追い込まれて行く、主人公。
ここから冒頭の牢屋のシーンに辿り着くのかと思いきや、話はドンドン加速していく。
”汚れた”代償として次々に命を狙われ、利用される主人公が周り全てを巻き込みながら疾走する熱いドラマは圧巻で、下巻は一気に読み終わる迫力だった。
が、やはりいくら主人公の論理では正義であっても、既に一線を何歩も超えた正義は肯定できず、それが読後感に響いている。
しかし、ドン・ウィンズロウの筆力は衰えるどころかますます熱くなってくる。「カルテル」以降、「報復」「失踪」と少し軽めだったがここに来て本領発揮。
しかも「カルテル」の続編もあるらしい!
何より、リドリー・スコットで「犬の力」「カルテル」が映画化もあるらしい。楽しみ!
(マイケル・マンで撮って欲しかった気もするが)
今作も映画にすれば、優秀な監督であれば相当な傑作になりそう。このジャンルでは「セルピコ」や「プリンス・オブ・シティ」などもあるしね。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ハードボイルト
- 感想投稿日 : 2018年11月17日
- 読了日 : 2018年11月17日
- 本棚登録日 : 2018年11月17日
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