途中で止めてたのを読了。
以前読むのを止めていた理由は、主人公がコンプレックスを隠す姿が辛かったから。
そのコンプレックスが、誰もが共感できるであろう、
自分より優れた人に追いつきたい、認められたいというものだったから、刺さりすぎて読むのを止めてしまった。
意見を求められても、無難な言い回しで回避し、でも承認欲求を隠しきれてない主人公が自分に重なったのだろう。
事件を起こしそうにない人が事件を起こす理由を"悪意"が取り付くからというオカルトじみた理由にしているが、あながち間違ってはいないのではないか。
実際、良い意味でも悪い意味でも、何故あの頃夢中になっていたのかわからないことは皆あるのではないだろうか。
何かがきっかけで、夢から覚めたように、当時を振り返ることができる。
悪事を働いたり、ネガティブな感情が強いときのそれを"悪意"と表現したのではないか。
夏目の場合は、コンプレックスが"悪意"に近い存在であり、香砂により"悪意"が取り除かれ、自身のコンプレックスに向きあうことができた。
自己表現や承認欲求に関するコンプレックスをこの本を通して自覚させられるため、読むことで自身の"悪意"を取り除くことができるのかもしれない。
少なくとも見たくないものを見せられ自覚させられた気はする。
ジャンルは推理小説やミステリでは無いと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2015年9月28日
- 読了日 : 2015年9月27日
- 本棚登録日 : 2015年9月28日
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