小泉進次郎と福田達夫 (文春新書 1148)

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  • 文藝春秋 (2017年11月17日発売)
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小泉進次郎と福田達夫両議員の対談と、一緒に働いた農水省中堅幹部との意見交換の内容をまとめたもの。将来を嘱望されている若手議員の小泉進次郎氏と福田達夫氏の性格や考え方、二世議員の苦悩がよく分かった。
「(福田)首相秘書官時代はまじめにやりましたが、官房長官秘書官は、臨時のお手伝いのつもりでしたから、秘書官席にも座らなかった」p23
「(福田)この国の行政の、組織的というより属人的能力に頼る部分の多さとか、いろんな課題が見えた」p24
「(小泉)政治家は逃げられないんですよ。どれだけ怖いと思ったって、街に出たら、またああいうことが待っているのかなあ(名刺を破られる、足を踏まれる、ペットボトルを投げつけられる、唾を吐かれるなど)と思ったって、街に出るしかないんです」p34
「(小泉)俺首相辞めるけど、どう思う?って言ったら、みんな嘘でも「まだできます」って言うんだよ。「あ、そうですか。辞めた方がいいですよ。ようやく決めましたか」なんて誰も言わない。だから自分で決めなきゃいけない。他人に聞いちゃいけないんだ。(一人じゃなきゃダメなんだよ。一人でいるときを大切にしろ(小泉純一郎))」p61
「稲田政調会長に呼ばれて行ってみたら、いきなり「あなた、農林部会長ね」って言われて、「あ、ジョークですか」って言ったんですよ。そうしたら「何言ってんや、ジョークじゃないわよ」って言われて、「じゃ、なんで僕が農林部会長ですか」って言ったら、「それは一番大変だからよ。だからあなたよ」と。男は大変なポストについてもらいたいと口説くとき、嘘でも「これは君にピッタリだ。非常にやり甲斐がある。だから君しかいないんだ」と言いますよね。しかし、稲田さんは違ったね。「一番大変だからあなたよ」。これすごいなと思いましたね」p70
「西川公也先生は「あの人は聞き分けがいいねって、言われることはダメなんだ」って言う。聞いてしまったら負けなんだ」p147
「(小泉)一番国が支援しているのは何農家ですか。一番お金使っているのは何農家に対してですか。コメですよね。一番儲かっていないのは何ですか。コメですよね。一番高齢化が進んでいるの何だと思いますか。コメですよね。一方で、儲けているのは何ですか。果樹畑作ですよね。果樹って関税がゼロのものばかりですよね。コメの関税は700%超えですよ。それでも予算もこれだけ付けてるんですよ。それでも国に守ってくれって言ってきちゃうんですか」p197
「(小泉)国会議員はたいてい、身を乗り出し、先を争うようにして長く話す。長く話せば、自分の考えがそれだけ視聴者に伝わると思っているようだ。それは、大きな間違いだ。視聴者はそんなに長く話を聞いてくれない。私は自分の発言が30~40秒以内に収まるように心がけている。できれば、10秒以内がいい。小泉純一郎の首相時代、印象に残った言葉の時間を計ったら10秒以内だった」p266
「農林部会長になってからは基本午前8時から部会ですから、それに間に合う時間に起きます。夜は遅いですね。寝るのが午前2時、3時。4時になるときもある。部会長って部会が開くまでの仕事がすごいんですよ。政治の世界は会議の場が勝負ではなくて、会議までが勝負という部分があるじゃないですか。根回しをして、そのときまでに仕込んで、徹底した電話かけと同時に、自分もインプットを重ねなきゃいけない。すると、どこで自分が使える時間をひねり出すのか。シンプルに考えると、寝る時間をなくすことなんですね」p269
「(小泉)(福田の欠点)早口だね。これは本人も自覚されてると思うし、今までいっぱいいろんな人から言われてるはずだけど、もったいない。あと難しい。言葉とかもね」p274

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年10月21日
読了日 : 2018年10月21日
本棚登録日 : 2018年10月21日

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