ホロヴィッツ ホラー

  • 講談社 (2022年10月6日発売)
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本棚登録 : 424
感想 : 35
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全部で9つの短編集。主人公は皆中高生。読み進めるにつれだんだん恐怖の度合いが増して行って、「ハリエットの恐ろしい夢」「田舎のゲイリー」で頂点に達した。いじめっこや悪ガキにおしおきをしているようだ。

「恐怖のバスタブ」父母がアンティーク店で買ってきたバスタブにとりついていた”恐怖” 最初は僕を、そして父を蝕み・・

「殺人カメラ」これもアンティークで買ったカメラにとりついていた”恐怖” シャッターを切ると写したものが壊れるのに気づいた僕。弟は父母とピクニックに行った。おまえシャッター押した? うん。何に向かって? あのねー ちょっと星新一の気配?

「スイスイスピーディー」父の同僚が死んで、その遺品のパソコンを持ってきて僕にくれた。ん?電源を入れていないのに文字が? これば競馬馬の名前? と、当たりだ。いじめっこがこれを聞きつけやってきたが・

「深夜バス」パーティーからの帰り、遅くなってしまい、ふと目にとまったバスに乗ったが、なんだか奇妙だ・・ 乗ってるのは皆過去の人? 

「ハリエットの恐ろしい夢」ハリエットは裕福な家で贅沢に暮らしていたが、父が破産し一家離散に。おまえはあのおじさんの所へ行けという。父がお金をもらうのがみえた。そこは珍しいものを出すレストランだという・・ ・・うっ、いくらハリエットが我儘娘だとはいえ、これは・・

「田舎のゲイリー」ゲイリーは悪ガキ。ある日田園に囲まれた母の実家に行ったが、おばあちゃんは退屈だし、フットパスを通って散歩に出た。と道を間違え足はくじくし、そこで・・  これは「ハリエットの恐ろしい夢」にもまして、なんというか。 ホロヴィッツさん、ワルガキに恨みでもあるの? 戒め? これはドーンときた。

「コンピューターゲームの仕事」ケビンは勉強がきらいなので16歳で学校を卒業した。(イギリスは16歳でGCSEという義務教育修了全国統一試験があると文中にある)町を歩いていると、コンピューターゲームの仕事募集の張り紙。怪しげなドアを開けると、小さな日本人みたいな人がいた。(ホロヴィッツは日本人を出すのだが、小さい身長、小さい目といった書き方をしている)

「黄色い顔の男」私の30年前の回想。ドリアン・グレイ的。でもちがうか、私はいいこだったもの。その週末、親が離婚するというのでいつもよりちょっと多い小遣いをもらっただけなのに。

「猿の耳」ちょっとぎくしゃくした父母とマラケシュに旅行に来たブライアン。そこで4つの願いがかなう「猿の耳」を買うが・・ 家に戻って学校で「猿の手」という話を習ったが授業中眠ってしまったので結末は知らずじまいだった。家では相変わらず父母はけんか。で、父が4回目に言った言葉は・・ ちょっと「猿の手」をもじってある。

2022.10.4第1刷 図書館

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・ミステリー 海外(英米)
感想投稿日 : 2022年11月11日
読了日 : 2022年11月11日
本棚登録日 : 2022年11月10日

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