大奥 (ヤングアニマルコミックス)

  • 白泉社 (2005年9月29日発売)
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感想 : 751
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単行本1巻から19巻まで全巻読み終えました。19巻のみドラマより先に読めましたがあとはドラマが先。貸出の関係で1~3巻が最後になってしまったのですが、改めて万里小路有功と家光の場面を読み直し涙してしまいました。ドラマも漫画もここが一番いいかな。

漫画ではドラマでは描ききれなかった小さなエピソードや説明もあり人物や出来事の背景がわかりました。有功の弟子の玉栄の性格描写が漫画では何か所か描かれていてドラマだけではわからなかった人物像が描けました。

また有功が自腹で開いた大奥内での花見、その時は閉塞された男たちのささやかな気晴らしとしてだったのが、のちに大奥の瀟洒につながった、などの説明もされ、よしながさんはストーリー全体を客観的に俯瞰しているんだなあと感じました。

しかし、男女逆転した設定にすると、ウーマンリブとかガラスの天井とか今現在やっきになってやろうとしている女性の地位向上策やこれまで歴史家が検証してきた女性史での女性の地位、なんてものがうまーく、皮肉に説明されてしまう。そして和宮と家茂のエピソードは今現在のLGBTまでいってしまっている、なんともあっぱれな作品です。

マーガレット・アトウッドの「侍女の物語」をちょっと思い浮かべました。

またNHKのドラマは原作再現度がすごい。特に11代家斉。登場シーンの漫画では大奥の廊下にトロンとした目で登場しますが、ドラマの中村蒼さん、そっくりでした。いや漫画が先なんですけどね。


隔月刊誌「MELODY」(白泉社)に2004年8月号から2021年2月号まで連載。

単行本
第1巻 2005.10.4初版 2009.4.25第25刷 図書館
第19巻 2021.2.26 

白泉社 「大奥」
https://www.hakusensha.co.jp/?s=%E5%A4%A7%E5%A5%A5%E3%80%80%E3%82%88%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%81%B5%E3%81%BF

好書好日 2021.4.19 「大奥」が完結
著者インタビューも
https://book.asahi.com/article/14331170

第42回(2021)日本SF大賞受賞
https://sfwj.jp/awards/Nihon-SF-Taisho-Award/42/20220605022553.html

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本・小説(SF)
感想投稿日 : 2023年12月14日
読了日 : 2023年12月13日
本棚登録日 : 2023年11月24日

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