南アメリカ、ヨハネスバーグ上空に巨大な宇宙船が君臨。おお、これはアーサー・C・クラークの世界ではないか?と思いきや、そこから降りたバルタン星人みたいな二足歩行の宇宙人が、多数、強制隔離されている。政府はさらに「よい地区である第9地区」に移動させようとしている。政府側には黒人もいるのだが、宇宙人を「エビ」と称し、動物ならぬ「甲殻類」扱い。これは、SFの形を借りた、強烈なアパルトヘイト批判の映画だなと思った。
はるかかなたから宇宙船を操る頭脳をもちながら、何故劣悪な環境に甘んじているのか? 疑問なのだが、これは白人からみると、異形の黒人を低い知能の人種とみなすことへの疑問符なのかも。実は黒人は内なる知性があるのだ、という。
SF的にはつっこみどころがたくさんあるかもしれないが、アパルトヘイトへの批判、という点では響くものがあった。
監督のニーフ・プロムガンプは1979年ヨハネスブルグ生まれ。18歳でハンブルグに移住。白人。
2009 南アフリカ、アメリカ、ニュージーランド
2021.6.14アマゾンプライム無料
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
映画(洋画・邦画)SF
- 感想投稿日 : 2021年6月14日
- 読了日 : 2021年6月14日
- 本棚登録日 : 2021年6月14日
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