副題が表わす通り、この本は脳損傷後のリハビリ日記です。身近に脳損傷をイメージする人はもちろん、イメージしない人が読んでも得るところが多いであろう本です。
思いがけない交通事故からジェットコースターに乗ったように振り回されるカーラの1年余りの日々を支える「チーム・カーラ」。そこには医師、看護師、臨床心理士(セラピスト)、リハビリ療法士、職業カウンセラー、弁護士らが含まれています。締めくくりとして、そのプロフェッショナルな視点から見た高次脳機能障害に関する知識、相対する姿勢が語られているのも有用でしょう。
そこを読んでから改めてカーラ自身の語りに向き合うと、この目に見え難い機能障害への理解が深まると思います。少々、アイロニカルなユーモアに満ちたカーラ。その日々を追うことで、暮らしを紡ぐ重要なことは生き生きと過ごすことだ、他、様々な考えが浮かぶことでしょう。それは、脳機能障害をはじめ、認知症、介護、鬱々とした気持ちを抱える人のみならず、一見して無関係と思われる幼児までも含め、住みやすい社会を形作るアイディアになると思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年9月8日
- 読了日 : 2014年9月8日
- 本棚登録日 : 2014年9月8日
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