センスのよい法律文章の書き方

著者 :
  • 中央経済社 (2012年2月8日発売)
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・最終的に訴訟の勝敗を決するのは、弁護士の文章力であるといっても過言ではない。なぜなら、法理論や事実だけでは決着がつかない問題が多く、それは裁判官の価値判断で決することになるが、その価値判断を促すのが弁護士の文章だから。
・ガーンジー島事件、長崎年金二重課税事件などは、国が税務訴訟で敗訴した。
●よい文章=読みやすい、わかりやすい、論理的、心に訴える。わかりやすい、とは、その事件で日本一分かりやすい教科書を目ざすこと、
●読みやすい=1文が短い。章立てをきちんとする。内容を整理する(時系列、要件ごと、争点ごと、法解釈と事実認定の違い、重要かそうではないか、相手の主張と自分の主張など)。目次を入れる。
●わかりやすい=キーワードや重要なことが繰り返されている。専門用語は説明し、分かりやすい簡単な具体例が入れてある。図解、要旨などもいれる。
●論理的=裁判官の思考に沿った展開ということ。問題提起、規範、あてはめをしっかり書く。理由も当然。判例・条文の根拠も当然。形式論と実質論、必要性と許容性、原則と例外、客観と主観で区別する。
●心に訴える=身近な問題として感じてもられるようにする。ストーリーを入れる。権威に訴えるなど。
●訴訟で勝つには・・
・判決に書くべき材料を全部提供すること。つまり裁判官が勝訴を出す為に判決を書かなければならないが、それに参考となること。
・複雑な事案を分かりやすく伝え、最も重要なポイントを伝える。
・国民感情に反すること、常識に反すること、こうへいではないことを指摘する。
・相手の主張に反論しておく。
・参考文献『ヤフートピックスのつくりかた』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 法律
感想投稿日 : 2012年3月20日
読了日 : 2012年3月20日
本棚登録日 : 2012年3月20日

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