宮沢賢治という日本を代表する詩と絵本作品を知るために読み始めたが、この詩は哲学とはまた違った読みにくさがあった。シチュエーションの想像が不可解かつ注釈の多さ、方言の読み解きなど、少しでも得られたのは10分の1程度ではないだろうか。。
賢治のもう働くな、とか絶望に浸る詩は特に胸を打つものがあった。
銀河鉄道の夜にも通じるものをが確かにあった。
何よりこの作品で語らなければならないのは、永訣の朝、松の針、無声慟哭の3つだと思う。
この作品はおこがましく言うのであれば、文学、倫理、芸術の高い所に居を構えて、門を開け放ってくれていると感じる。
賢治の妹への哀れみと己の不甲斐なさへの葛藤、言葉の選び、詩の中の風景演出どれをとっても一級であると思う。
灰羽連盟に通じる作品の虚無感が似ている。この退廃への憧れというのは、俺の悪いくせで、もうすでに自らを沼に沈めているような気がしなくもない。
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- 感想投稿日 : 2024年1月3日
- 読了日 : 2016年5月17日
- 本棚登録日 : 2024年1月2日
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