基本的に、1から10までつらつら書き上げる叙述的な体裁で展開する。(イメージとしては、先日読んだ『コンサル一年目が学ぶこと』の対極にあるタイプ)
長く、総花的で、しつこい。
だが評価は4である。
まるで担当戦略家が目の前にいて、問いを発してくれているような感覚がある(反復や、時に危機感を煽りながら?悪い姿勢を考え直すようアドバイスする姿勢のためか)。
実際にリアルでコーチと契約するのは万単位で金が飛ぶが、この本で著者と対話を繰り返すのは随分低コストだ。
白人男性というか、西洋人の理想的行動指針のまま、人生を「成功」させる価値観そのものなので、やる気を保ったり、迷いさすらう(彼らがいうところの「ムダ」な)時間を無くす意味で定期的に目を通すと良いなと思った。
私は清貧の美学というか、社会的成功だけが人生ではない、といった日本人ならある一定数共感者が存在しそうな価値観も持っている(それが文化的成熟なのか、平和ボケなのかは各論ありそうだが)
そのため逆説的に、本書のような本はいっそ清々しく、手元に置く必要を感じたりする。
ただどうしても冗長なので、読み進めるのに疲れてしまって、しっかりワークをこなせなくなる弊害はありそうな本ではある。
若い頃読んだ同著者の『ライフストラテジー』からも似た感覚を覚えたので、本書の訳者、勝間さんのせいではない(はず)だろう。
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「今」を「自分」を一度きりの人生をよりよく生きたいくせについダラけてしまう自分に、時々うつカンフル剤として。
口うるさい優秀なおじさんに注意されたり、人生を説かれたりしたいときにも読もうと思う。歳をとると、そういう人を身近に確保しづらくなるから。
- 感想投稿日 : 2020年9月19日
- 読了日 : 2020年9月18日
- 本棚登録日 : 2020年9月18日
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