あとがきで 千年昔には身体感覚においてどこか血が人間が生きていて、私たち現代人は、現代にも通じる部分においてのみ、かの時代の人間を理解し表現しているのではないか、そこから本書のような文体を模索したとのことでした。
ここはなるほどな、と思った。
その時代、その場所の人間のみが本当に共感していた感覚の片鱗をこの小説で感じることができたであろうか。できていれば良いなあ。
最後まで、叶わなかった恋に飽かぬ、哀しのあわれの情を抱きつつ、最後は何か飄々とした風に逝った様がに感じ入った。
業平が本当に恋した2人について、叶わぬ高みの御方の憧れと、弱き御方を父か兄のごとくにお護りしたい恋と表現しているが、実際には両名から護られていたところ。こういう人だからこそ浮き名を流せたのでしょうか。
ぜひ、再読したいのと、関連書籍も読みたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年3月31日
- 読了日 : 2021年3月31日
- 本棚登録日 : 2021年3月22日
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