ミカドの淑女(おんな) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1993年7月29日発売)
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本棚登録 : 431
感想 : 45
5

下田歌子さんという明治時代に生きた実在の人物が描かれた小説。
伊藤博文、乃木希典、明治天皇など、数々の有力者との浮名を流し、挙げ句の果てに、新聞に連載記事が掲載されるという、本当にあったとは思えないような本当の話がベース。

そのスキャンダルにも興味があるが、林真理子さんの小説での描き方、テクニックも興味深い。下田歌子本人ではなく、関係のあった人々の目線での下田歌子が表現されているため、実在する人物なのに、どこかあやふやな人物に思える。

男尊女卑の時代に、高い地位を得て、そして世間から叩かれた女性。新聞記事に振り回されたのは、下田歌子本人だけでなく、周りの人々も含まれる。ぐいぐい引き込まれる小説だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年4月11日
読了日 : 2014年4月11日
本棚登録日 : 2014年4月5日

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