下田歌子さんという明治時代に生きた実在の人物が描かれた小説。
伊藤博文、乃木希典、明治天皇など、数々の有力者との浮名を流し、挙げ句の果てに、新聞に連載記事が掲載されるという、本当にあったとは思えないような本当の話がベース。
そのスキャンダルにも興味があるが、林真理子さんの小説での描き方、テクニックも興味深い。下田歌子本人ではなく、関係のあった人々の目線での下田歌子が表現されているため、実在する人物なのに、どこかあやふやな人物に思える。
男尊女卑の時代に、高い地位を得て、そして世間から叩かれた女性。新聞記事に振り回されたのは、下田歌子本人だけでなく、周りの人々も含まれる。ぐいぐい引き込まれる小説だった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2014年4月11日
- 読了日 : 2014年4月11日
- 本棚登録日 : 2014年4月5日
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