舞台がドイツだから、ということで、年が2倍も離れた日本人の女性が貸してくださった。
正直なところ、自分が今現在ドイツにいようがいまいが、そんなことはこの漫画の世界を享受するにおいて、さして重要なことではないと思った。
ただひたすらに、表現されている人間に夢中になった。
主人公に同化するわけでもなく、かといって分析するわけでもなく、
音楽大学、ロシアの革命を背景に繰り広げられる、池田理代子氏の世界をただただむさぼるように味わった。
読み終わったとき、「あぁ、この世界をもう一度、初めて訪れる感覚とともに訪れてみたい」という思いがした。
一度目に読むその感覚、が忘れられないシリーズだ。
ちなみに、私はベルバラ世代でもなく、少女マンガの熱烈ファンというわけでもないので、
この漫画の恋愛的要素にはあまり関心がなく、貸してくださった女性に「泣いたでしょう?」と聞かれたとき、
なんと答えたものか困った。
私の正直な感想としては、この作品の世界がずっと続いてほしい、といったところだろうか。
完結、涙、という過程を歩ませない、もっと、もっと読みたい、そういう欲求を呼び起こす作品だと思う。
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カテゴリ:
別の世界
- 感想投稿日 : 2009年1月20日
- 本棚登録日 : 2009年1月20日
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